コールセンターにはたくさんのオペレーターが在籍しています。そのため、オペレーターの応対品質にはどうしてもばらつきが出てしまうものです。

もちろんオペレーター個々人の能力に左右されるところもありますが、それだけでなく、実際にはほかにもさまざまな原因が関係しています。

そこで今回は、オペレーターごとに応対品質がばらつく原因を解説しつつ、その際の対処法について、インバウンド・アウトバウンドに分けてそれぞれみていきます。

1.コールセンターの設立目的からみる応対品質の重要性

そもそも応対品質は、オペレーターが持つ電話対応のレベル(スキル)をあらわす指標として用いられており、「応対品質が高い=コールセンターとしての質が高い=顧客の期待に応えられている」と解釈されています。

顧客の期待に応えられるということは、すなわち顧客満足度が高いコールセンターであることを示しており、これは企業がコールセンターを設立する目的とも深く関係しています。

『コールセンター白書2021』によると、コールセンターの設立目的を聞いたアンケート結果は以下の通りです。

図表①

●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P58

この結果からわかるように、コールセンターの設立目的で最も重視されているのは「顧客満足度の向上」です。

オペレーターの応対品質にばらつきがあると、「〇〇さんに問い合わせたときはすぐに解決できたのに今回はハズレだった」「〇〇さんは説明が下手だな」など、顧客満足度の低下につながる恐れがあります。

そのため、オペレーターごとの応対品質を高める、または標準化する工夫がコールセンター運営には重要となってきます。

2.オペレーターの応対品質にばらつきが出る原因

画像①

オペレーターの応対品質にばらつきが出る原因にはどのようなものがあるでしょうか?
自社に当てはまる項目がある際はすぐに改善へ向けた取り組みを行いましょう。

オペレーターのスキルに差がある

オペレーターのスキルに差があると、それぞれの応対品質にばらつきが出てきます。

コールセンターでは、すべてのオペレーターが同水準で対応できる状態を構築する必要がありますが、オペレーターごとのスキルに差があると応対品質が安定しないサイト(拠点)になります。

研修体制が適切でない

オペレーター向けの研修が適切な内容・期間でない場合も、オペレーターの応対品質にばらつきが発生する原因を生み出します。

特に新人研修はその内容や期間が適切でないと、実際の業務内容にオペレーターの理解が追い付かず、応対品質が不安定となります。

マニュアルやFAQが未整備・未更新

オペレーター向けのマニュアルやFAQが未整備、または内容が更新されていないと、応対品質に差が生じてきます。

ベテランはこれまでの経験や知識から適切な回答を導き出せますが、業務経験が乏しいオペレーターはそれができません。

そのため、オペレーター向けのマニュアルやFAQの整備・更新は適宜実施する必要があります。

オペレーターのモチベーション低下

オペレーターのモチベーションが低下していると、顧客への配慮が不十分となり、応対品質の不安定化につながります。

管理者による声掛けや個人面談などを通じて、オペレーターのモチベーションが低下している原因を聞きだし対処する必要があります。

3.【インバウンド・アウトバウンド別】応対品質のばらつきを改善する方法

応対品質のばらつきを改善する方法を、インバウンドとアウトバウンドそれぞれで解説します。活用できるものから実践に取り入れてみましょう。

画像②

≪インバウンド≫

●IVRやACDなどのコールセンターシステムを活用する

コールセンターシステムである、IVR(自動音声)やACD(スキルベースルーティング)機能を活用し、問い合わせ内容の細分化、オペレーターのスキルに応じたコール対応者の選別などを実施します。

顧客の問い合わせにすぐ返答できる専門スキルを持ったオペレーターが応対できるため、オペレーターごとに応対品質がばらつくという事態を減らせます。

IVRやACDの詳細は以下で説明していますので、あわせてご覧ください。
コールセンターにおけるIVR機能とは?
コールセンター用語ACDとは?基本機能やメリットを解説!

●業務マニュアルやFAQなどのナレッジを活用しやすくする 

マニュアルやFAQはアウトバウンド業務でも活用されていますが、問い合わせ内容が事前に把握できないインバウンド業務ではより重要な意味を持っています。

以下のポイントを参考に、自社の業務マニュアルやFAQが現在どうなっているか確認してみましょう。

① 内容の追加・変更・削除を定期的に実施し最新の状態になっているか
② マニュアルやFAQファイルの収納場所がわかりやすくなっているか
③ 管理者だけでなくオペレーターの意見を参考にした内容や構成になっているか

最低限この3つのポイントが守られていないと、顧客対応時オペレーターが混乱し応対品質にばらつきが出る要因となります。

業務マニュアルやFAQなどのナレッジは、新鮮さと使い勝手が重要であると認識しておきましょう。

≪アウトバウンド≫

●トークスクリプトの完成度をあげる 

アウトバウンド業務は、案内による商品の購入や成約など、顧客に対し何かしらの行動を促す目的を持って架電しています。そのことから、わかりやすくスムーズに話を進めるうえでトークスクリプトはとても大切です。

完成度の高いトークスクリプトがあれば、新人とベテランの間にも大きな応対品質の差が発生せず、全体を通して一定水準の品質を保つことができます。

トークスクリプトを作成する際は手書きで設計図を書き出した後、それを話し言葉に変換していくと、より自然で流れがわかりやすいものになります。

●ロールプレイングで実際の架電対応を練習する

コールセンターでは研修の一環として、二人一組となって電話対応を疑似体験するロールプレイングという手法が用いられます。

「対応方法は現場で覚えればいい」と考えている企業も多いため、ロールプレイングは新人研修時のみ実施するところがほとんどです。

そのため、新しい商品やサービスが展開される際も、ぶっつけ本番で顧客対応をするというケースも珍しくありません。

定期的なロールプレイングの実施は、架電対応に対する苦手意識の克服や案内時の疑問点を確認するなど、さまざまな面で有効な手段となります。

口に出してトークの流れを覚えることで、より洗練された顧客対応ができるようになります。応対品質におけるオペレーターごとのばらつきを減らすためにも、一度取り組んでみてください。

4.応対品質のばらつきを改善し高品質なコールセンターを目指しましょう

画像③

応対品質のばらつきは顧客満足度の低下だけでなく、顧客サポート業務の効率化という、コールセンターの役割をも停滞させる要因となります。

オペレーターのモチベーション維持やシステムの導入などを活用し、応対品質の向上・標準化を進め、より高品質なコールセンターを目指しましょう。

BlueBeanのIVRとACDの機能

BlueBeanはインバウンドもアウトバウンドも対応している、オールインワンのコールセンターシステムです。
今回ご紹介したIVRとACDの機能も標準搭載されています。

IVR機能

業務日時の設定や、配信先を知覚的に確認できるので、設定の見直しや編集が行いやすくなっています。

IVR照会BlueBean IVR設定画面

ACD機能

オペレーターにあわせて対応窓口の設定が出来ます。新人のオペレーターは簡単な変更や解約案内の窓口のみを対応し、ベテランのオペレーターには操作方法含めたすべての窓口の対応を行うようにすることが可能です。

ACD概要コールフローサンプル

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