コールセンター運営において、オペレーターのシフト作成は欠かすことのできない作業です。とくにSVをはじめとする管理者は、毎月のシフト作成に頭を悩ませているのではないでしょうか?

そこで今回は、コールセンターにおけるシフト作成の手順や参考とすべき指標について解説します。

1.コールセンターの現場におけるシフト作成の実態

コールセンターを運営する企業によって、シフト作成における状況は異なります。

『コールセンター白書2021』によると、各企業に対しシフトのパターン数を聞いたアンケート結果は以下の通りです。

図表① ●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P79

「全員がフルタイム」とする企業もある一方、大多数のコールセンターでシフトパターンを複数設けていることがわかります。

これは、オペレーターの雇用形態などを考慮しつつ、柔軟な対応が行えるよう検討された結果だといえます。

例えば、正社員のオペレーターであれば、週5日の8時間勤務(フルタイム)が基本的なシフトです。しかし、特定の時間のみ勤務を希望する契約社員やアルバイトの場合は、休憩なしで週3日の5時間勤務など、シフトに幅が必要です。

このことから、管理者がシフト作成をする際は、雇用契約時にオペレーターと勤務時間の制約について約束していないか、事前に確認する必要があります。

2.シフト作成が難しい理由

オペレーターのシフトは、さまざまな要素を検討しなければならず、作成には困難を極めます。

そこで、コールセンターのシフト作成が難しいとされる大きな理由を2つ解説します。

オペレーターのモチベーションに影響する

シフト作成における懸念点として考えられるのが、オペレーターのモチベーションへの影響です。

例えば、オペレーターの休み希望を無視する、勤務日と休暇日のバランスが悪い、などがあげられます。

オペレーターのモチベーション低下は、コールセンターの品質や効率に影響するばかりか、最悪の場合、離職につながる原因となります。

コールセンターは他業種より人材確保が難しい業種です。そのことから、各企業もオペレーターの離職対策にはとくに注力しており、その姿勢が以下のアンケートから読み取れます。

図表②●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P79

オペレーターの希望を100%採用すると、どうしても運営が難しい日が出てきます。「可能な限りオペレーターの希望に沿ったシフトにする」というスタンスの企業が大多数を占めているのは、「運営に影響が出ない範囲内で、オペレーターの希望をできるだけ尊重する」という姿勢であり、それが現場の限界だともいえます。

時期や時間帯によって忙しさが違う

コールセンター業務では、時期によって繁忙期と閑散期が分かれています。

例えば、携帯電話のサポート窓口であれば、新製品やサービスの展開直後、新学期・新生活がはじまる3月~4月などが繁忙期に該当します。そのため、この時期はとくに適切な人員配置が必要です。

また、コールセンターでは、1日の間でも入電が集中する時間帯、閑散とする時間帯が発生します。

このように、コールセンターのシフト作成は、繁忙期と閑散期の見極めがとても大切であり、それを細かく予想する必要があるため、最適なシフトの作成が難しいのです。

3.シフト作成の手順や参考となる指標

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コールセンターでシフトを作成する際は、トラフィック予測➡必要要員の算出➡本シフト作成の3手順で進めるのが適切です。

≪トラフィック予測≫

トラフィック予測とは、過去のデータを参考に将来的な事柄を予想することです。

シフト作成の場合であれば、年間・月・日・曜日・時間帯など、それぞれの入電数や応対件数、放棄呼率などを細かく精査します。

しかし、アウトバウンド業務はコールセンター側で1日の架電数を事前に設定できるのに対し、顧客からの問い合わせを待つインバウンド業務では、繁忙と閑散のタイミングを見極めるのが困難です。

そのため、過去のデータや現場の実情をベースとしつつ、新商品やサービスの提供、イベントの開催など、業務に影響のある事柄を考慮したうえで、シフト作成に向けた予想を立てる必要があります。

≪必要要員の算出≫

トラフィックを確認できたら、つぎは必要要員の算出を行います。

必要要員の算出には、「トラフィック」「平均処理時間」「待ち呼時間」などの指標を参考にします。また、これら以外にも、「オペレーターのスキル」や「休憩時間」といった要素も漏れなく考慮しなければいけません。

シフト作成の方法は企業によって異なり、紙媒体を利用するところもあれば、エクセルに打ち込んだ数式を活用するところもあります。しかし近年では、必要要員の算出にあたって、「アーランC」という計算式を用いる企業も出てきました。

アーランCは、コールセンターの各種数値から必要要員を算出する計算式です。利用できればとても便利ですが、計算式がとても複雑なため自力で計算するのは困難です。

現在では、さまざまなサイトでアーランCの考え方や計算式が公開されているので、それらを参考に活用を検討するとよいでしょう。

≪本シフト作成≫

トラフィックなどを参考に必要要員を算出したあとは、実際に本シフトを作成します。

コールセンターの規模や状況、繁忙期と閑散期の違いなど、考慮すべき点を見落とさないようにしなければなりません。

例えば、繁忙と閑散の時間差が大きいコールセンターの場合、全時間帯の人員を平均的に配置すると、入電が少ない時間帯に人員が余剰となります。

入電に対しオペレーターの人員が多い状況は、人件費の拡大につながりますので、コストの高いコールセンターといえます。そのため、長期的に運営するうえでは適切とはいえません。

ただし例外として、研修や個人面談などを実施する予定があり、その穴を埋める目的で“わざと”人員を多く配置するという運営手法もあります。

このように、ケースバイケースで人員配置は変化していきますので、シフトを作成する際は、直近で実施する研修や面談の予定を必ずチェックしておきましょう。

4.コールセンターによってシフトの形態は多岐におよぶ

画像②

毎月のシフト作成は、どこのコールセンターでも悩みが尽きない課題です。

そのため、各コールセンターでは、シフトパターンを増やすなどの工夫をしていますが、実情に則した適切なシフト作成ができているのかは不透明です。

テレワークの推進により、今後ますます多岐にわたるシフト形態の管理が求められます。コールセンター運営者には、これまで以上にシフト作成における工夫が重要となることでしょう。

BlueBeanは便利な機能が標準搭載

BlueBeanはインバウンドもアウトバウンドも対応している、オールインワンのコールセンターシステムです。

先ほどご紹介したトラフィック予測で必要な「入電数」「応対件数」「放棄呼率」に加え、必要要因算出で活用できる「平均処理時間」「待ち呼時間」をレポートとして出力できます。

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