前回に引き続き、コールセンターが在宅勤務に移行する際の問題点として、自己解決の問題を取り上げたいと思います。

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【セキュリティ編】コールセンター在宅勤務の壁。在宅勤務をする際の問題点と解決方法。

 

会社に出勤して業務を行う場合、対応中にわからないことがあったら保留にし、上席に指示を仰ぐ事が出来ました(エスカレーション)。それが在宅勤務では難しくなります。特に新入社員は対応への不安が大きく、電話対応自体が苦痛になってしまうこともあると思います。
チャットの利用や折り返しでの対応も出来ますが、自己解決する事が一番の方法です。そのため、ある程度の規模のコールセンターであれば、自社作成のナレッジサイトを作成していると考えられます。

では、ナレッジサイトがあるにも関わらず、自己解決が出来ないのはなぜでしょうか。考えられるの問題をいくつかあげてみました。

 

1.ナレッジサイトの問題

自己解決できるように作成したはずのナレッジサイトが、うまく機能していないケースが多々見受けられます。具体的な問題点と解消方法をご説明します。

 

1.1.ナレッジサイトが整備されていない

何の情報がどこにあるかわからず、情報を見つけられないと、エスカレーションすることになります。特に、エクセル等でまとめたQ&Aは検索をしても、引っかかりすぎるか全くでないかのどちらかというのはよくあります。検索に頼ってしまうようなナレッジサイトだと、人によって検索する文言が違うので、このようなことが起こると考えられます。

ナレッジサイトはカテゴリ分けされ、検索をしなくても目的の情報にたどり着けるサイトが好まれます。

無償でサイト作成できるGoogleのサービスもありますので、エクセルでまとめている方はすぐにでもサイトを作成してください!!

Googleサイトの使い方:https://support.google.com/sites/answer/6372878?hl=ja

 

1.2.ナレッジサイトの情報が古い

更新されていない情報を見ると、「このサイトの情報は全て古いのでは?」と疑ってしまい、エスカレーションしたくなります。
日々変わる情報に対してサイトの更新作業は手間ですが、せめて作成日と更新日がわかるようにしておくことで、多少は解消されると思います。

 

1.3.ナレッジサイトの情報がわかりにくい

書き手の問題になりますが相手に伝わる文章を書くことが重要になります。
ネットで「相手に伝わる文章の書き方」で検索するといっぱい改善方法が出てきます。私もハッとしました。
また、「新人にも伝わるように記載する」ことも今後重要になってくると考えられます。
深刻な人手不足や在宅勤務推進で、研修なしで業務を行うことになるオペレーターが今後増加する可能性があるからです。研修ができることに越したことはありませんが、現状でも研修をする余裕がないコールセンターは多く存在しています。

上記のことを踏まえても、知識がない人でもわかるようなナレッジサイトを作成することが重要です。

 

1.4.現場感のある人がナレッジサイトの作成にかかわっていない

サイトの作成には技術がいることになるので、技術者が作成しているケースもあります。
技術者は、現場での電話対応はしない事が一般的なので、指示されたことを粛々と編集していくと思います。
ただ、コールセンターによくある、「この情報を話した人にはあの情報も伝える。」であったり「この情報が必要なお客様は恐らくこの情報も聞いてくる。」など、現場感が無いと想像ができない情報の繋がりが存在しています。
1つのページを開いて、それに紐づく情報を簡単に見つけられるようなサイトであれば、2つ目の情報が見つからずエスカレーションする事が無くなります。また、最短で次の情報を見つけることができるので、顧客対応時間の短縮にもつながります。

 

1.5.編集者が複数人いる

現場感を大事に!ということでオペレーター全員が編集権限を持っている場合があります。
その場合、似てるけどちょっと違う情報がいくつも記載されているケースをよく見かけます。
どちらの情報も確認した上で、オペレーターが回答の判断をする必要が出てくるため、時間がかかる上に結果エスカレーションに繋がってしまいます。

編集者は少数の人が声を掛け合って行うようにした方が、混乱させないナレッジサイトの作成ができます。

 

2.オペレーターのヒアリング力の問題

相手が何を言っているのかわからない…という場合は別の誰かに電話を替わってほしくなります。
これは経験値によってしまうところもあるので、通話録音が確認できるのであれば、折り返しとして、確認するのも一つの手です。
また、「知らない事が恥ずかしい。聞けない。」という人も多いと思いますが、相手の伝え方に問題があるケースもありますし、そもそも価値観の違いもあるので、「あなたの言っていること伝わってないですよ。」という意味でも、「知識不足で申し訳ございませんが…」と自分が理解できるまで、ヒアリングする必要があると考えられます。

 

クラウド型コールセンターシステム:BlueBean(ブルービーン)

BlueBeanは、クラウド型のコールセンターシステムです。通話自動録音機能が標準搭載されているので、お客様のおっしゃっている内容が理解できなかった時、後から聞き返すことが可能です。

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