現在、コールセンターの現場では運用を円滑に進めるため、さまざまなシステムが用いられています。
そのなかでも効率化と顧客満足度の向上に役立つシステムがIVR(自動音声応答システム)です。
ですが、「自動音声にどのような内容を流したらいいかわからない」というコールセンター担当者も少なくありません。
そこで今回は、IVRで活用できる自動音声の例文をご紹介します。
IVRで流れる音声によって顧客が受ける印象は大きく変わります。これを機に、自社の音声が最適なものとなっているか確認しましょう。
1.IVR(自動音声応答システム)とは
こちらの章では、IVRの概要を解説するとともに、コールセンターの現場における重要度をみていきます。
IVRの概要
IVR(自動音声応答システム)とは、顧客からの着信に自動音声システムを用いて対応する仕組みのことです。
例えば、「〇〇については1を、〇〇については2を…」という自動音声アナウンスがIVRに該当します。
コールセンターの現場におけるIVRの重要性
現在、IVRはコールセンターの現場でも重要なシステムのひとつとして広く活用されています。
『コールセンター白書2021』によると、導入しているITソリューションについて質問したアンケート結果は以下の通りです。
●参考:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2021』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.26/P91
アンケート結果をみてみると、IVRは音声録音システム、顧客管理システム(CRMシステム)に次いで3番目に多く導入されているITソリューションであることがわかります。
新型コロナウイルスに端を発したテレワーク化の加速が予想されることから、今後もIVRを活用したシステムによる自動対応の需要はますます高まると予想されています。
2.IVR導入によるメリット
IVR導入によるメリットにはどのようなものがあるでしょうか。
いくつか例をあげてみていきましょう。
一次解決率の向上
IVRがもたらす大きなメリットのひとつは、一次解決率の向上です。
これは、IVRの番号案内によって顧客の疑問を解決できる窓口(オペレーター)へダイレクトにつながるためであり、「たらいまわし」や「顧客側からのかけなおし」なども防止できます。
さらに、一次解決率の向上は顧客にかかるストレスの軽減にも効果的であるため、顧客満足度の向上も期待できます。
応答率の改善
新しい商品やサービスが展開された直後など、繫忙時に課題となってくるのが応答率の低下です。
ですが、IVRを活用することで、システムが自動で顧客の一次受け対応を実施するので、応答率の低下を抑える効果が期待できます。
営業時間外でも顧客対応が可能
IVRは業務時間外であっても、365日・24時間体制で顧客対応が可能です。
時間外であれば「時間外アナウンス」を流し顧客へのかけなおしを誘導します。最近では、ほかのチャネル(メール・チャットボットなど)を活用した解決を促すアナウンスも多くなっています。
適切な人員配置が可能になる
IVRによって一次受け対応が実施されるため、かかってきたすべてのコールをオペレーターが受電する必要がなくなります。
これにより、入電数の多い窓口に人員を配置できるようになるなど、適切な人員配置を行えます。
3.【事例別】IVR例文集
コールセンター業務でよく用いられている、IVRによる自動音声ガイダンスの例文を3つご紹介します。
≪オペレーターへの問い合わせ≫
(例)
「お電話ありがとうございます。〇〇についてのお問い合わせは1を、〇〇については2を、〇〇については3を押してください」
(解説)
上記の例は、オペレーターへの問い合わせ時に流れるガイダンスとしてポピュラーなものです。ここからさらに問い合わせ内容の絞り込みをする際は、追加で番号選択のガイダンスを流すのが一般的です。
≪営業時間外≫
(例)
「お電話ありがとうございます。只今の時間は営業時間外となっております。誠に恐れ入りますが、おかけなおしくださいますようお願い申し上げます」
(解説)
上記の例では時間外である旨のみをつたえていますが、「営業時間は平日〇時から〇時までとなっております」など、顧客がいつかけなおせばよいかわかるよう、営業時間を付け加えるとより良いガイダンスとなります。
≪間違い電話が多い≫
(例)
「お電話ありがとうございます。株式会社○○です。担当者にお繋ぎしますのでそのまましばらくお待ちください。」
(解説)
間違い電話が多い場合など、着信直後に会社名をお伝えし顧客に気づいてもらうためのガイダンスです。必要な顧客だけをオペレーターに繋げるので、業務効率の向上が期待できます。
4.IVR設定時の注意点
IVRを設定する際はこれらのポイントに注意しましょう。
選択肢の数は少なくする
音声ガイダンスの選択肢はできるだけ少なくします。
選択肢が多すぎると顧客がどのボタンを押したらよいかわからず、IVRの持ち味である、担当窓口へダイレクトにつながるという利点が失われてしまいます。
選択肢の数は、顧客がメモを取らなくとも覚えていられる程度に設定するとよいでしょう。
ガイダンス時間は短くする
自動音声によるガイダンスを嫌う顧客も少なくありません。そのため、音声ガイダンス全体の時間を短くする必要があります。
音声ガイダンスは、あくまで顧客を適切な窓口に誘導するための門でしかありません。そのため、かしこまりすぎた挨拶などを入れるより、顧客の課題解決に向け、迅速に適切なオペレーターへつながるよう意識した設計が大切です。
「オペレーターへつなぐ」の選択肢を入れる
自動音声ガイダンスをいくらわかりやすく設計しても、電話操作に慣れていない顧客には難しく感じます。
そのため、ガイダンスの最後に「オペレーターへつなぐ」という項目を設け、顧客の離脱(切電)を防ぐ工夫が必要です。
「せっかく電話したのによくわからなくて切った」という事態が発生しないよう、救済ポイントはしっかりと設けておきましょう。
5.IVRの導入はコールセンター業務をレベルアップさせる
IVRの導入によってコールセンターの業務レベルはさまざまな面でレベルアップします。
特にインバウンド業務を担っているコールセンターであれば、応答率や顧客満足度の向上、対応時間の短縮など、大きなメリットを運んでくれるでしょう。
まだIVRを活用していないコールセンター担当者の方は、これを機に導入を検討してみてはいかがでしょうか?
BlueBeanのIVRガイダンス
BlueBeanはインバウンドもアウトバウンドも対応している、オールインワンのコールセンターシステムです。
今回ご紹介したIVRのガイダンス機能も標準搭載されています。
ガイダンスの録音ファイル(.wav)をご用意いただき、設定したい箇所に取り込んでいただくことでご利用いただけます。
また、以下ガイダンスについては録音ファイルが事前に取り込まれておりますので、そちらをご利用いただくことも可能です。
BlueBean搭載済みガイダンス
「ただいま、大変込み合っております。
そのままお待ちいただくか、しばらく経ってからお掛け直しください。」
「ただいま、電話に出ることが出来ません。
恐れ入りますが、しばらく経ってからお掛け直しください。」
「ただいま、電話を呼び出しております。」
「ただいま、電話に出ることが出来ません。
ピーッという発信音の後に、メッセージを録音してください。」
「お電話ありがとうございます。
これからオペレーターにお繋ぎしますので、このままお待ちください。」
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