「成約率」をあげることは、アウトバウンド業務を行っているコールセンターにおいて最大の目標であり最大の課題です。
お客様へのアポイントをいかにして獲得するか、お話しを聞いてもらうにはどうしたらよいかなど、さまざまな視点で施策を講じなければなりません。
そこで今回は、アウトバウンドで成約率をあげる方法について解説していきます!

そもそもコールセンターにおける「成約率」ってなに?

 

突然ですが、テレアポという言葉を聞いたことはありませんか?
テレアポは正式名称を「テレホンアポインター」といい、「個人や企業を対象に自社商品やサービスの営業活動、勧誘を行うこと」または「その仕事(テレアポ)をしている人」を指す言葉です。
アウトバウンドのコールセンターすべてがこの業務に従事しているわけではありませんが、主に通販や保険など、商品やサービスを取り扱っている事業所がこの業態に該当します。
コールセンターにおける「成約率」とは、テレアポを通してお客様に商品やサービスをご成約いただいた件数の割合を指します。

成約率を求める式は以下で表すことが可能です。 

成約率(CVR)= 成約件数 ÷ 全体の架電数 × 100(%表記に変換するため)

この式をもとに例を出して考えてみます。

(例)オペレーターAさんが500件の架電を行い、そのうち20件が成約できました。
そのときの成約率はどうなるでしょうか?

(計算式) 20(成約数)÷500(全体の架電数)=0.04×100(%に変換するため)=4

以上のように、オペレーターAさんの成約率は「4%」であると求められます。

成約率は全体の売上予想やオペレーターの能力を査定する指標にもなりますので、センター運営に重要な影響をあたえる数値です。

すぐできる!アウトバウンドで成約率を上げる方法

 

 

アウトバウンドで成約率をあげるためには、主に以下3つの考え方が重要になります。

  • 接続率(コンタクト率)をあげる
  • トークスクリプトを徹底的に作る
  • 説明方法や話し方に注意する

上から順に解説していきます。

1.接続率(コンタクト率)をあげる

接続率とは、「お客様へ電話がつながった割合」のことです。
アウトバウンドで成約率をあげるためには、接続率をあげなければ話になりません。
では、接続率をあげる方法としてどのようなものがあるのでしょうか? 

こちらでは接続率をあげる施策として有効な方法を2つご紹介します。

一つ目は「つながりやすい時間帯を把握する」ということです。
架電を行っても平日の日中は仕事をしている方が多いので、あまり電話に出て頂けません。
そのため、平日のお昼時や夕方以降など、比較的電話に出て頂ける時間帯を狙った架電が接続率アップにつながります。
ここでひとつ注意していただきたいのですが、土日祝に架電する際は早朝の電話は絶対に避けましょう。
お休みの日に朝一で営業電話がきて気持ちのいい人はいませんよね?
お客様との信頼関係に関わりますのでここは特に注意しましょう。 

二つ目は「架電数を増やす」ということです。
当たり前のことですが、架電しなければお客様とコンタクトを取ることはできません。
ですので、オペレーターの数を増やす、システムを用いて架電を行うなどの策を講じる必要があります。
近年では架電数を増やすため、「プレディクティブ発信」などさまざまなシステムを活用する企業が多くなっています。
※システムについてはあとの章でご紹介します。

2.トークスクリプトを徹底的に作る

実際にお客様とつながったとしても、説明をするときのトークスクリプトが曖昧ではオペレーターも困ってしまいます。
そのため、スクリプトの文言は理解しやすく、レイアウトは見やすいものにするよう心がけましょう。
また、スクリプトの媒体は紙のほうがおすすめです。
特に新人オペレーターの場合はトークスクリプトがないと仕事ができないといっても過言ではありません。
システムの使用がおぼつかない期間でも、すぐに内容確認ができる紙媒体はとても重宝します。 

トークスクリプトの内容やレイアウトは各事業所の業務によって内容が異なります。
そのため、作成する管理者だけで判断するのではなく、現場をよく知るベテランオペレーターに意見を求めるようにすると、よりよいスクリプトを作成できるのでおすすめです。

3.説明の方法や話し方に注意する

お客様と電話がつながりどんなにいいスクリプトがあったとしても、説明の方法や話し方がよくないとお客様は話を聞いてくれません。
自分をお客様の立場に置き換えたとき、どのような対応が望ましいのか想像してみてください。
そこから逆算し現在の対応方法と理想の穴埋めをする作業が大切になります。

トークスキルのレベルアップを短期的に行うもっとも有効な方法は、「トークのうまい先輩オペレーターの真似をする」というものです。
最初は真似で構いません。そこに少しずつ自分の色を混ぜ込んでいけば、独自のトーク方法が身についていきますよ!

成約率をあげるには業務の効率化が必須

成約率をあげるには業務の効率化が必須となります。
業務効率を向上させる方法に、「システムを活用する」「モチベーションアップを意識した研修の実施」というものがありますので、それぞれについてみていきましょう。

1.システムを活用する

成約率をあげるためには、「接続率(コンタクト率)」を向上させる必要があることはすでにお話ししましたよね?
接続率を向上させるためのシステムとして、「プレディクティブコール(プレディクティブ発信)」や「プレビューコール」、「CRM(顧客管理システム)を用いた再架電アラート」などが有効となります。

各機能について簡単に解説します。

プレディクティブ発信(プレディクティブコール)

プレディクティブ発信はシステムが自動で一斉架電を行い、電話がつながったときのみ対応していないオペレーターへ回線を接続するという機能です。
架電対象は事前に作成されたリストによって管理されているため、架電の取りこぼしがなくなり効率よく対応できます。

※プレディクティブ発信(プレディクティブコール)の詳しい内容はこちらの記事をご覧ください⇩
>>>【プレディクティブ発信とは】活用方法・メリットを徹底解説!

プレビュー発信(プレビューコール)

プレビュー発信は「クリック発信」とも呼ばれる機能で、オペレーターが電話番号を打ち込まなくても、番号をクリックするだけで架電が行えます。
間違い電話を防ぎ、電話番号の打ち込みにかかる手間を省けるので、時間を効率的に活用できます。

CRM(顧客管理システム)を用いた再架電先検索

CRM(顧客管理システム)を用いて再架電予定のお客様を把握することが可能です。
この機能を活用することで、管理者による2次対応が必要な案件はもちろん、案件ごとに適切なスキルをもったオペレーターを選定できるので、業務の最適化を図ることで成約を取りやすくなります。

2.モチベーションアップを意識した研修の実施

システムを導入し、いざ設備を整えたとしても、活用する人材の意識がさがっていては元も子もありません。
ですので、オペレーターが実力を発揮できるよう、しっかりとした研修をおこなう必要があります。 

システムの使用方法や、あらたな業務フローを落とし込むのはもちろんですが、最も意識すべきことは、オペレーターたちのモチベーションをあげることです。

その中でも特に重きを置くべきなのは、「ベテランオペレーターを対象とした研修」となります。
ベテランオペレーターたちは、これまでのシステムや業務フローに慣れてしまっているので、あたらしいことを毛嫌いしやすい傾向にあります。

「これまでのやり方を変える理由」「やり方を変えることでどうなるのか」を、ExcelPowerPointを用いて、具体的な数値やわかりやすい表や図にすることで、ベテランオペレーターたちの理解を促すことができます。

そうすることで、あたらしいチャレンジを前向きにとらえるようになり、業務に対してのモチベーション向上が期待できます。
その結果として、業務効率や応対品質、成約率などが徐々にあがっていく環境となるのです。

目的を再認識することで自社の課題が見えてくる

 

 

アウトバウンドにおいて成約率をあげることは主要命題であるため、クライアントや社内から厳しい目でみられることがあります。
ここまでさまざまな視点から解説してきましたが、そもそも成約率をあげる目的はなんでしょうか?
「クライアントの機嫌を取るため?」「上司の目が厳しいから?」もちろんこの部分は否定できません。
ですが原点に立ち返って考えてみると、いちばんの目的は「お客様に自社商品やサービスを利用してもらいたいから」ですよね?
目的を再認識したとき、いま自社に足りていない課題がはっきりとしてきます。

人材育成、マニュアルの整備、システムの活用などできることはたくさんあるはずです。

 いまいちど成約率をあげる目的を明確にし、自社の課題を見つけるところから始めてみませんか?

クラウド型コールセンターシステム:BlueBean(ブルービーン)

BlueBeanは、クラウド型のコールセンターシステムです。業務の効率化でご紹介した「プレディクティブ発信」「プレビュー発信」の機能に加え「CRM」機能も標準装備されているので、導入後すぐにコールセンター業務を始めることができます。その他、再架電漏れを防止するための「再架電」機能も搭載されていますので、オペレーターは余計な負担がかからず、お客様との会話に集中する事ができます。
また、トークスクリプトは紙での配布出来ることがベストですが、紙でトークスクリプトを配布できない環境でも、BlueBeanはオペレーター画面にトークスクリプトを作成する事が可能です。

クラウド型コールセンターシステム:BlueBean
https://www.bluebean365.jp/