コールセンターにおけるクレーム対応の方法として、前回は管理者の目線にフォーカスした内容をご紹介しました。
≪前回の記事≫
【クレーム対応:管理者編】クレーム対応を考えるうえで大切なこととは
https://www.bluebean365.jp/blog/complaint-handling-administrator/
そこで今回は、オペレータがクレームにどう向き合うべきか、どのような心構えが必要なのかについて解説します。
1.オペレータが認識すべきクレーム対応への心構え
コールセンターにはさまざまなクレームが飛び込んできます。
「商品の使い方がわかりづらい」など、オペレータの適切な回答によって解決に導けるものもあれば、暴言や支離滅裂な要求など、対応が困難なものまで多岐に渡ります。
ではそんなクレーム対応について、オペレータが認識すべき心構えとはなんでしょうか?
今回は特に重要だと思われる2つのポイントをご紹介します。
①顧客の立場になって考える
クレーム対応をするうえで大切な心構えの一つ目は、「顧客の立場になって考える」ことです。
「コールセンター白書2020」によると、コールセンターの設立目的を問うアンケートの結果は以下のようになっています。
●出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P51
この結果から、コールセンターの使命として「顧客満足度の向上」が一番にあげられることがわかります。
あなたがコールセンターへ電話をかけた状況を想像してみてください。
担当オペレータがあなたの立場になって、疑問の解決に向けて一緒に考えてくれたら嬉しくありませんか?
このように、オペレータには顧客の立場になって考える姿勢が必要不可欠であり、これには通常の問い合わせもクレーム対応も違いはないのです。
②「自分へのクレームではない」と割り切る
クレーム対応をするうえで大切な心構えの二つ目は、「自分へのクレームではない」と割り切ることです。
クレームを大別すると、企業起因・顧客起因・顧客対応起因の3種類があります。
ほとんどのクレームは企業起因か顧客起因のものです。
【企業起因の例】
・製品やサービスの質が低い
・店舗での接客が横柄だった
・注文した商品とは違うものが入っていた など
【顧客起因の例】
・商品を間違えて注文した
・希望するカラーの商品ではなかった
・自分のイメージした商品ではなかった など
このように、オペレータ個人に向けたクレームがくることはほとんどありません。
クレーム対応はストレスのたまる業務ですから、自分を追い込むようなことはせず、「これは自分へのクレームではないんだ」と割り切るようにしましょう。
注意が必要なのは、顧客に対して不適切な言動や間違った案内をすると、オペレータ個人へのクレーム(顧客対応起因)へ発展する可能性があることです。そのため、クレームへの対応には気配りと慎重な姿勢が求められます。
2.コールセンターのオペレータに求められるクレーム対応とは
オペレータに求められるクレーム対応の方法を4つご紹介します。
①クレームのタイプを判別する
顧客への聴き取りのなかで、クレームのタイプを判別するのもオペレータの仕事です。
さきほども触れましたが、クレームには企業起因・顧客起因・顧客対応起因の3種類があります。
なぜクレームのタイプを判別する必要があるのかというと、それは顧客へどのような対応をすべきか判断するためです。
2つの例を参考に考えてみましょう。
(1)顧客の希望した商品と違うものを送付してしまった(企業起因)
顧客の希望した商品を送り直し、間違って送った商品の返送料は企業側が負担する
➤企業側のミスによる事案のため、顧客へ負担のかからない対応が望ましい
(2)顧客自身が希望する商品と違うものを購入してしまった(顧客起因)
商品の返品が可能か精査したうえで返品対応を承る。この際、誤った商品の返送料は顧客に負担してもらう
➤顧客の過失によって発生した事案であるため、ある程度顧客へ負担を求めることになる
この2つの事例は、「顧客の希望する商品ではなかった」という点において共通していますが、原因によって対応が変化していることがわかります。
このように、クレームタイプの判別はより適切な対応を検討する材料となることから、オペレータに求められるスキルのひとつだといえるでしょう。
②顧客の話しを要約する
クレーム対応をする際は、顧客の話を要約して伝えるようにします。
クレームの電話をかけてくる顧客の大多数は「自分の話しをしっかり聞いてほしい」と思っているため、話しの内容を要約・反復することで、「あなたの言いたいことは理解していますよ」と間接的に伝えます。
顧客とオペレータの認識の齟齬を回避できるほか、顧客の怒りを静める、対応時間の短縮につながる、より正確な回答が行えるなどのメリットがあります。
③不正確な情報は伝えない
顧客からの要求に対して不正確な情報を伝えてはいけません。
上席への確認や入念な下調べをせず「絶対に○○です!」などの断言をすると、誤案内であった場合に重大な問題へと発展します。
顧客へのご案内時は、上席に対応方法の確認をしっかりとしたうえで、正確な情報を伝えるようにしましょう。
④言葉づかいなどの一般的なマナーを守る
クレーム対応において最も重要なのは、言葉づかいなどの一般的なマナーを守ることです。
正しい言葉づかいや敬語はもちろん、電話を受けた際の「お電話ありがとうございます」や、終話直前の「貴重なご意見ありがとうございました」など、あいさつとお詫びにも気を配りましょう。
どのような応用テクニックも基本ができていなければ意味がありません。
いま一度、自身のマナーが適切なものであるか確認してみましょう。
3.対応が困難なクレームはひとりで抱え込まなくていい
はじめにもお話ししたように、クレームには対応が困難な事案もたくさんあります。
そんな事案に遭遇したときは、ひとりで抱え込まず、上席に助けを求めるようにしてください。
クレーム対応は上席に相談したほうが早く終わります。
なぜなら、管理者のほうが業務における権限を多く持っているため、顧客の要求が実現可能なのか判断しやすいからです。
しかし、面倒くさいからといってすべてのクレームを管理者任せにするのはよくありませんから、「この事案は対応が難しいな」と感じる場合のみ上席へ対応を依頼しましょう。
クレームに対しては、「顧客の立場になって考える」「自分へのクレームではないと割り切る」。
このふたつを心がけ、より良い対応ができるよう努力を重ねていきましょう。
クラウド型コールセンターシステム:BlueBean(ブルービーン)
BlueBeanは、インアウト両業務対応のクラウド型コールセンターシステムです。
ささやき機能でリアルタイムモニタリング中のオペレーターに即時アドバイスをささやく事が可能です。また、架電禁止リストへ該当の電話番号を登録することでオペレーターが間違えて発信してしまう事を防ぎます。通話録音も全通話自動で行われるので、後から発覚したクレーム対応の録音確認もスムーズに行う事ができます。
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