コールセンターで働いていると必ず発生するのがクレームです。
クレームの内容はさまざまですが、クレーム発生前・発生中・発生後のそれぞれで管理者が取るべき対応とはなんでしょうか?
そこで今回は、コールセンター管理者が取り組むべきクレーム対応の方法について解説します。
1.顧客からのクレームは自社が成長するきっかけとなる
クレームというとすべてがマイナスなものに思えてしまいますが、実際は企業活動において非常に重要な役割を果たしています。
クレームの意味を再認識する
ひとことにクレームといっても、すべてのクレームがマイナスなものではありません。
クレームには自社製品の品質を向上させるアイディアや、顧客の持っている認識を広く再確認する機会にできるなど、さまざまな分析要素が含まれています。
そのため、顧客からのクレームを面倒くさいものとして捉えるのではなく、なぜ苦情を言いたくなるほどに至ったのかを深く考えることが大切です。
特に現場を運営・監督する立場にある管理者においては、クレームから学ぶ姿勢が求められるといえるでしょう。
クレームの電話をかける顧客はほんの一握りである
商品やサービスの質に不満がある場合でもクレームの電話をしてくる顧客はほんの一握りです。
商品の購入やサービスを受けた後に不満があったとしても、わざわざ不満を伝えることはせず、次回から別の選択肢を取った経験があなたにもありませんか?
このような顧客のことを「サイレントクレーマー」といいます。
サイレントクレーマーは企業への不満を伝えることなく去ってしまうため、直接クレームの電話をしてきた顧客と異なり、発生した問題や誤解を解くことができません。
ですから、クレームの電話をしてくれる顧客は、まだ挽回のチャンスをもらえている段階だといえます。
サイレントクレーマーを減らす目的からも、直接やり取りができる顧客への適切なフォローが重要なのです。
2.クレームの種類は何種類あるのか
クレームの原因となるものは大別すると3種類あります。
それぞれみていきましょう。
①企業起因
企業起因のクレームとは、製品やサービスの質が低い、顧客に対する横柄な態度などが要因となって発生するクレームです。
事案ごとの柔軟な対応をしない、社内の決まりを押し付けるなど、顧客に対する企業側の姿勢を指摘されるケースを指します。
②顧客起因
顧客起因のクレームとは、商品を間違えて注文した、希望するカラーの商品ではなかったなど、顧客側の端末誤操作や勘違いによって発生するクレームです。
企業側に落ち度があれば陳謝する必要がありますが、そうでない場合は毅然とした対応が望ましいでしょう。
③顧客対応起因
顧客対応起因のクレームとは、オペレーターの顧客対応をする際の姿勢が要因となって発生するクレームです。
一例ですが「コールセンター白書2020」において、「オペレータにつながってからの回答は正確で速やかだったか」を計測したアンケートの結果は以下のようになっています。
●出典:月刊コールセンタージャパン編集部/『コールセンター白書2020』/株式会社リックテレコム/東京/2020.10.16/P110
この結果から、コールセンターを利用した顧客の6割以上が正確さスピードともに期待以上のものを感じていないことがわかります。
オペレータが間違った回答をする、何度も保留で待たされるなど、顧客のストレスが増加する理由があれば、クレームが発生するのも当然といえます。
顧客対応起因のクレームは事業所ごとにその性質が異なります。いま一度現場の状況を確認し、改善点の洗い出しを行いましょう。
3.クレーム対応において管理者がなすべきこと
コールセンターの管理者にはクレームの発生前、発生中、発生後にすべき対応があります。
クレームへの事前対策
クレームの事前対策として管理者が行うべき施策は以下の3つです。
①クレーム対応のルールを作成する
クレームが発生した際の対応ルールを作成します。
たとえば、クレームが入ったら管理者をすぐに呼ぶ、管理者によるモニタリングが必要であればその旨を伝える手段を確保するなどです。
事前にルールを決めオペレータへの周知を徹底することで、慌てることなくスムーズなクレーム対応が実現できます。
②業務研修の回数や内容の見直し
オペレータの知識や対応スキル不足が原因となるクレームを抑制するため、業務研修の回数や内容を見直します。
オペレータが誤案内しやすい項目の洗い出しを行い、重点的に研修で落とし込むようにするとよいでしょう。
③マニュアルやFAQの改訂
オペレータ用のマニュアルやFAQが古いと顧客への誤案内につながります。
新しい項目を随時追加するほか、オペレータから意見を集め、改善を求められた部分を修正しましょう。
クレーム発生中の対応
①リアルタイムモニタリング
リアルタイムモニタリングを実施し、顧客とオペレータの会話内容を聞き漏らさないようにします。
クレームの内容を聴き取るのはもちろんですが、管理者がモニタリングしている安心感はオペレータのストレスを軽減する効果が期待できます。
モニタリング内容に応じてオペレータへの指示出しをする必要があるため、事前に指示の伝達方法を部署内で決めておくとよいでしょう。
②2次対応(上席対応)
オペレータの手に負えない顧客には、管理者が2次対応(上席対応)する必要があります。
管理者による対応が有効な理由は以下の3点です。
1.迅速な対応が可能
一般のオペレータにくらべ管理者は業務に関する権限を持っているため、顧客の要求が実現可能なのか迅速に判断できる。
2.オペレータのモチベーション維持
クレームはオペレータへ過度なストレスがかかるため、管理者による2次対応でオペレータのモチベーション低下を防止できる。
3.クレーム原因の判別
管理者による聴き取りで、クレームの原因が企業起因、顧客起因、顧客対応起因のどれに当てはまるのか明確に判別できる。
クレームの原因によって解決方法は異なってくるため、原因の判別はとても重要な意味を持ちます。
クレーム対応後の処理
①折衝記録へ対応の詳細を記載する
クレームの原因、どのように回答したか、コールバックが必要かなど、折衝記録へ対応の詳細を記載します。
架電禁止リストへの登録など、管理者権限でなければできない処理があれば、この際にあわせて行います。
②クレーム内容を社内で共有する
商品やサービスについてのクレームなら、改善に向け商品開発や営業などの関係部署へ情報の共有をします。
顧客対応起因のクレームであれば、どのような事案でクレームが発生したのかを事業所内で共有し、同様のクレームが発生するリスクを抑制します。
③対応オペレータへのフォロー・フィードバック
クレーム対応が終了したら、対応したオペレータへ労いの声かけをします。オペレータのモチベーション低下を防止するのも管理者の仕事です。管理者の一言で救われるオペレータがいることを忘れないようにしましょう。
また、オペレータの対応が原因であれば、録音した音声のモニタリングを実施したあとで、なぜクレームへ発展したのかフィードバックします。
この際、マニュアルやFAQに不備がある旨を指摘された場合は、陳謝したうえで速やかに修正をするようにしましょう。
4.管理者にはクレームへの事前対策と適切な処理が求められる
コールセンター業務の性質上、クレーム対応は切っても切り離すことができません。
そのため、いかにクレームの発生を抑止するか、発生した際の対応はどうするか、発生後の処理をどのように進めるかを事前に決める必要があります。
クレーム対応はオペレータの協力なくしては成り立ちません。
そのため、オペレータの意見を取り入れた対応方法を検討することで、事業所が一丸となって取り組めるより良いクレーム対策の施策を検討できるでしょう。
クラウド型コールセンターシステム:BlueBean(ブルービーン)
BlueBeanは、インアウト両業務対応のクラウド型コールセンターシステムです。
ささやき機能でリアルタイムモニタリング中のオペレーターに即時アドバイスをささやく事が可能です。また、架電禁止リストへ該当の電話番号を登録することでオペレーターが間違えて発信してしまう事を防ぎます。通話録音も全通話自動で行われるので、後から発覚したクレーム対応の録音確認もスムーズに行う事ができます。
BlueBean主な機能一覧
無料デモ環境もご利用いただけますので、一度お試しください。
クラウド型コールセンターシステム:BlueBean
https://www.bluebean365.jp/