コールセンター運用に欠かすことのできない「コールリーズン分析」。日々さまざまな問い合わせが入るため、その属性を分析することはとても重要な意味を持ちます。
では、コールセンターでは具体的にどのような方法でコールリーズン分析を行っているのでしょうか?
そこで今回は、顧客の問い合わせ内容をより細かく理解するために必要なコールリーズン分析について、その重要性や得られたデータから実施できる対処法などを解説します。
1.コールリーズンとは?
コールリーズンは「顧客がコールセンターに電話をかけてきた理由」を意味する言葉です。
コールリーズンにもさまざまな種類があり、製品の使用方法や購入前相談などの一般的な質問だけでなく、特別な対応が必要となるイレギュラーな内容のものも含まれます。
コールリーズンを細かく分析することで、「顧客がなぜ電話してきたのか」「どのような内容だったのか」を詳しく知り、業務効率の改善や応対品質の向上を目指すことができます。
2.コールリーズンの分析に必要な考え方
コールリーズン分析を行う際は、企業視点と顧客視点の乖離に注意が必要です。
携帯電話の問い合わせ窓口を例に考えてみましょう。
端末を紛失した顧客がいるとします。顧客視点からみれば緊急度の高い問い合わせ内容です。しかし、企業視点に立つと、新たな利益を生み出しにくいアフターサービスの緊急度は決して高くありません。
そのためか、解決までにかかる時間が過度となりやすく、顧客の不満を生む原因となっています。
この例のように、コールリーズンの重要度が企業と顧客との間で異なってしまうと、いくら細かく内容を分析したところで顧客の求める応対品質を担保できません。
そのことから、コールリーズン分析をする際は、企業視点でなく顧客視点における重要度を優先的に考える必要があるのです。
3.コールリーズン分析でわかること
コールリーズン分析によって具体的にどのようなことがわかるのか解説します。
コール対応の優先順位
コールリーズン分析によって入電数が多い問い合わせ内容が事前に把握できれば、対応できるオペレーターの育成や人員配置の見直しなどをいち早く行えます。
これによりコール対応の優先順位が設定でき、効率的な問い合わせ対応の実現や応対品質の向上が期待できます。
スキルの見直し
問い合わせが多い内容とオペレーターのスキルがマッチしていない場合、保留や転送などにより無駄な時間が取られ、一次解決率や顧客満足度の低下を引き起こす原因となりかねません。
コールリーズン分析によるスキルの見直しは、オペレーターへのスキル付与や標準化を考えるうえでも有効な指標のひとつです。
異常な数値の検出
コールリーズンを分析する際、ともに記録しておくのがAHT(平均処理時間)です。
コールリーズンごとにAHTを管理しておけば、異常な数値(普段より時間がかかっているコール)をすぐに突き止められます。
該当コールの問題点を素早く認識できるようになるため、業務改善に向けた取り組みのスピードも速くなります。
4.コールリーズンを分析・集計する方法
コールリーズンを分析・集計する際に現場でよく用いられているのがCMSとCRMです。
CMS(Call Management System)はコールセンターにおける各種データを収集するために活用されるシステムです。コールリーズンごとにコードが設定でき、通話中や後処理のときにオペレーターが該当のコードを選択するだけで簡単に集計が取れます。
顧客情報を管理するCRM(Customer Relationship Management)でも、応対履歴とともにコールリーズンを入力することで集計が可能となっています。
これらのシステムによって得られたデータを基に問い合わせ内容の多いものをピックアップし、「なぜその問い合わせが多いのか」「スムーズに案内するにはどうしたらよいのか」などを検討・分析するのが一般的な流れです。
5.コールリーズン分析後にできる対処法
コールリーズンの分析後には、業務効率や応対品質の面でさまざまな課題が浮き彫りになります。
具体的にどのような方法でそれらの課題に対処するのかみていきましょう。
FAQやトークスクリプトの修正
コールリーズンの分析によって、顧客がどんな課題を抱えやすいのかを把握できます。これにより、入電数の多い内容に応じたFAQやトークスクリプトへの修正が可能となります。
FAQやトークスクリプトの修正は顧客の課題解決に役立つだけでなく、顧客対応をよりスムーズに行えるようになるため、オペレーターの心理的負担の軽減にも効果的です。
セルフサービスの促進
コールリーズン分析によってオペレーターによる案内が不要な問い合わせ内容が判明したら、顧客がみずから調べ課題解決を目指すセルフサービスへ向けた取り組みを促進します。
例として、公式サイトに「よくある質問」を設ける・AIを用いたチャットボットを導入するなどがあり、顧客は24時間どのタイミングでもサポートを受けられるのが特徴です。
これによりオペレーターのサポートが必要不可欠なところに人的リソースを割けるようになるため、より効率的なコールセンター運営が実現できます。
IVRの見直し
入電数の多いコールリーズンに適応したIVRフローを構築することにより、顧客の課題解決にかかる時間が短縮され、業務効率の改善や顧客満足度の向上が期待できます。
自動音声の内容が古く現在のコールリーズンに則していない場合、顧客の期待に適合していない可能性があります。
そのため、IVRの内容は最新のコールリーズンにあったものに設定しておき、定期的に見直すようにしましょう。
6.コールリーズン分析は顧客の視点が重要となる
コールリーズン分析をする際は顧客の視点になって考えることがとても大切です。
より顧客の期待に応えられるコールセンターを作っていくためにも、コールリーズン分析をうまく活用しましょう。
BlueBeanのレポート機能
BlueBeanはインバウンドもアウトバウンドも対応している、オールインワンのコールセンターシステムです。
顧客の対応記録からレポートを出力することができるので、コールリーズン分析に役立ちます。
CRM機能
顧客対応記録を入力する際に、問合せ内容の項目を選択することができます。選択項目は、業務に合わせて自由に作成をすることが可能です。
BlueBean オペレーター画面(サンプル)
レポート機能
事前に設定した問合せ項目に紐づく情報をレポ―トとして出力が出来ます。事前に設定している問合せ項目の平均通話時間や対応件数など、コールリーズン分析に必要な情報を柔軟に取得できます。
顧客情報レポート作成画面(サンプル)
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